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    ダイバーシティ『女性躍進の現在と今後』

    ANA人財戦略室人事部
    ダイバーシティ&インクルージョン推進室室長

    宇佐美 香苗 氏

    「世界のリーディングエアライングループ」を経営ビジョンに掲げるANAホールディングス(株)。競争が激化する航空業界で、多様性を強みにブランド力を磨き、次の時代を勝ち抜くためには、全社員の半数以上を占める女性の活躍が重要な役割を担うことになる。「人材」を「人財」と表現し、積極的にダイバーシティ推進に取り組む同社の宇佐美氏に話しを伺った。


    ダイバーシティ&インクルージョン宣言

    一人ひとりが強みを発揮し、最大限活かす

     ―貴社がダイバーシティに積極的に取り組んでいる意図をお教えください。

     グローバル化やローコストキャリアの台頭などによって環境変化が進むなか、企業が生き残るには、多様なバックグラウンドを持った人財による環境変化への素早い対応が必要だと考えています。

     「一人ひとりが自らの強みを存分に発揮でき、その強みを最大限活かす」―これがANAグループにおける「ダイバーシティ&インクルージョン」の基本的な考え方です。

     この基本理念をすべてのグループ社員によって推進していくために、2015年度のスタートにあたり、経営トップが次のような発表を行いました。

     

    ◆『ANAグループダイバーシティ&インクルージョン宣言』

    私たちは、

    ・「ダイバーシティ&インクルージョン」を新しい価値創造(イノベーション)の源泉と考え、社員の多様性を大切にします。

    ・一人ひとりが自らの強みを存分に発揮でき、その強みを最大限活かす職場づくりに取り組みます。

    ・誰もがいきいきとやりがいを持って働くことで、揺るぎない信頼とたゆまぬ変革を生み出すANAグループを創ります。

     ―2014年には「なでしこ銘柄」に、また、15年には日経WOMAN「女性が活躍する会社Best100 2015」に選定されました。その理由は何と思われますか?

     ANAグループの行動指針「ANA's Way」のなかで、多様性を活かすという「チームスピリット」を掲げ、人財戦略としてのダイバーシティ推進を重要な経営課題に位置付け、取り組んでいることを評価いただいたと思います。

     ANAでは、全社員の55%を女性社員が占めており、「キャリア相談室」の設置や「メンター制度」「キャリアデザイン研修」などを実施し、女性が長期的かつ自律的にキャリアを描く支援をしています。

     また、早朝・深夜勤務や宿泊を伴う勤務と育児を両立させる支援策として、働く日数の採択など、就労形態の選択を可能としたほか、「配偶者海外転勤休職制度」「退職者再雇用制度(客室乗務員)」を導入するなど、業務形態に合わせた働きやすい環境をつくる制度や仕組みの導入を進めているからだと思います。

     

     ―女性社員が全社員の半数以上を占める貴社において、競争が激化する航空業界を生き抜くための「ダイバーシティ」の位置付けは?

     ANAは近年、国際線比率を高めており、また昨今の訪日需要を含め、性別・国籍問わず多様なお客様をお迎えする機会が増加しています。また、航空機を利用される女性比率も年々高まりを見せています。

     このような環境のなか、ANAにおいて女性社員は、各職掌において経験と専門性を基に、グループの品質を支える主戦力としてすでに重要な役割を担っています。

     また、消費活動に大きな影響力を持つと言われる女性に着目したマーケティングや新しい商品・サービスの開発に、多様な視点や感性を活かすことはビジネスチャンスにもつながると思います。

     そのため、女性の自律的な成長をサポートするとともに活躍の領域を拡大し、施策や組織をリードする人財の開発・登用を積極的に行うことで、組織に新たな価値観や変革をもたらす原動力としています。

     

     ―「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」のインクルージョンとはどんな意味でしょうか? ダイバーシティとの違いは?

     ダイバーシティは、「組織や集団が持つ多様性」である一方、インクルージョンは「人それぞれの違いを活かし、新しい価値(イノベーション)を生み出すための行動」と位置付けています。

     

     ―ANAグループの行動指針「ANA's Way」の目的と具体的な活動内容を教えてください。

     2013年4月、経営体制の変更(ホールディングス化)を機にグループ経営理念を一新しました。なかでも、「ANA's Way」は広く集められたグループ社員の声も反映して策定されました。

     それ以降、ANAグループの風土改革ならびに文化継承を目的として、「ANA's Way」を基軸に、安全・歴史・未来をテーマとした対話型研修「ANA's Day」、人事部員による職場説明とワークショップ「ANA's Way Roadshow」、褒める文化づくり活動「ANA's Good Job」、海外各基地への展開要員「ANA's Way Ambassador」養成、グループ社内報の編集発行などを中心として、人財戦略室人事部ANA's Way推進チームが推進機能を担って取り組みを進めています。

     「ANA人財大学」は、ANAグループの横断的な研修や採用活動などを集約した機能チームで、ここで取り組んでいる各種研修コンテンツや採用活動において求める人財像の定義などにも「ANA's Way」の考え方の基軸が反映されています。

     また、「ANAグループ アドバンスキャリアビジネススクール」は、人財大学が主管する研修の1つで、グループ横断的に選抜されたメンバーが、一定期間、各自が選択した課題について研究を行い、最終的に解決に向けた提案を行うという一連の内容を通して、社員の自律的な成長を促すプログラムです。

     

     ―ダイバーシティ推進に対する社内の意見・感想などありましたら、お聞かせください。

     15年度のスタートにあたり、経営トップが「ANAグループ ダイバーシティ&インクルージョン宣言」を発表したこともあり、社員の理解が進み、意識や行動に変化が出ています。

     しかし、会社や部門により推進の温度差があり、さらなる浸透、発展に向けた意識改革が必要という意見が多いのも事実です。

     昨年12月1日に「1日をかけてダイバーシティを考える日」と題し、「ANAグループ D&Iフォーラム」を実施したところ大変好評で、定期開催を望む声も多数ありました。

     

     ―今後の抱負についてお聞かせください。

     2007年に「仕事と家庭の両立支援」を目指し発足した「いきいき推進室」は、今年度「ダイバーシティ&インクルージョン推進室」となり、来年で10年目を迎えます。

     「ポジティブ・アクション宣言」の数値目標達成に向け、キャリアや意識開発のための研修などを、さらに充実させていくとともに、女性だけでなく、シニア、クロスカルチャー、障がい者、LGBT(性的少数者)など、だれもが自身の強みを活かし、自分の力を100%出し切り、輝けること・・・真のダイバーシティ&インクルージョンの行動化に向け、ANAグループ社員全体で推進していきたいと思います。

    週刊「世界と日本」2016年4月4日 第2074号より

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