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ダイバーシティ『女性躍進の現在と今後』

新春インタビュー

グローバル時代 成功の鍵は女性の活用

 

衆議院議員 野田 聖子 氏

 インタビュアー 東京財団 常務理事 今井 章子 氏

 第三次安倍改造内閣で安倍総理は、「1億総活躍社会」実現のために、「強い経済」「子育て支援」「社会保障」を中核とした「新3本の矢」を放った。これらの施策の実現には、ダイバーシティのさらなる活性化、加速化が求められている。新年を迎えるに当たり、野田聖子衆議院議員に、政治家として、一人の働く母親として、政策として思うことや社会や企業に伝えたいことなど、東京財団常務理事の今井章子氏がお話を伺った。


女性管理職を3割にする―

「2030」の実現は可能か

 今井 明けましておめでとうございます。安倍政権の公約の一つに、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にするという「2030」があります。リーダーシップを発揮できる女性を育てる、あるいは女性自らが育つことのできる環境を整備するなど、これからの課題は何と思われますか。

 

 野田 私は国会議員になって丸22年になり、幾代もの総理にお仕えしてきましたが、日本の立て直しのために、「女性政策が必要である」と国内外で言い切った総理は戦後、安倍さんが初めてではないでしょうか。だからこそ、この政策にみんなで敬意を表し、潰れないように、しっかり支えていかなければならないと思っています。

 ただし、正直、「2030」はとてつもなく高い目標であり、物理的には難しいでしょう。なぜなら、4年後に日本の全組織に3割の女性管理職を置くためには、現在、それだけの人材が必要ですが、そもそも「総合職」に女性をあまり採用してこなかった歴史がありますから、人材不足です。

 このような状況を考えると、高すぎる目標とも言えますが、そのくらいのショック療法がないと、企業の男性管理職の方々には認識してもらえないでしょう。経団連にようやく女性の役員が誕生しましたが、企業の男性管理職は「これでいいや」と、一服している感じがしますね。

 

 今井 それを打開する政策はありますか。

 

 野田 一つは法律をつくることです。例えば企業において、女性の管理職が3割に満たないところには罰金を科す、あるいは政治分野に「クオーター制」(編集註=一定数を女性に割り当てる制度)を取り入れるなどです。

 

 今井 クオーター制については賛否両論ありますが、私は現時点で有効だと思うので基本的には賛成です。企業社会においても、これまで男女雇用機会均等法や育児休業法などの法律によって少しずつ改革が進んだように、ある程度、強制的な力が必要ではないかと思います。

 

 野田 もう一つは、企業で社外取締役を活用して、暫定的に女性管理職の数を満たす方法です。取締役ならフルタイムで働く必要はないので、国会議員や大学教授、その他、いろいろな分野で活躍されている女性がたくさんいますので、その人たちを活用しない手はないのではないかと。

 

 今井 管理職となる女性の側の課題は何ですか。例えばよく言われるのは、一生懸命にやっていれば、そのうちに誰かが光を当ててくれるだろうと言っているうちに引退の時期になってしまったとか。ちゃんとリーダーシップを発揮するには、自分の持てる能力を適切にアピールする努力も必要ではないかと思いますが。

 

 野田 私はあまり民間企業に勤めた経験がなく、政治の世界でここまで来ました。議員には先輩、後輩の関係はありますが、基本的には一国一城の主で、雇われている感覚がなく、全て自分で勝ち取ってきたという感じです。従って、私の経験がどこまで民間企業の方のお役に立てるのかが、わからないのですが・・・。

 

 今井 なるほど、ですがやはり自分で前に進もうとする姿勢は大切ということですね。野田さんは、政治の世界でも圧倒的に女性の数が少ないと言われている中で、ご自分を全面に押し出してこられましたよね。

 私が印象に残っているのは、「高齢者にたくさんお金を使うことも必要だけれども、次世代育成も大切である」と、はっきりおっしゃった数少ない政治家のお一人が野田さんではなかったかと思います。

 

 野田 そうなのです。票にもお金にもならない「子供と女性」の問題は、国会ではなかなか取り上げられません。しかし私は国会議員として、いくつか自分に決まりをつくり、「人がやっていることはやらない」、「法律をつくることが仕事」ということがあります。

 そこで、子供と女性の問題は常にセットなのですが、女性政策がことごとくできていない自民党で、ずっと巌窟王(がんくつおう)のように、このことに取り組んできました。

 

 今井 やはり高齢者と若い女性、子供は全てつながっているのですね。みんなで生きていくという再認識が必要ですね。

 

 野田 最近、私がよく言っているのは、高齢者の格差が一番大きいことです。今は年金収入という格差で喘(あえ)いでいますが、今後は介護において、貧困高齢者とお金持ち高齢者が同じになってくる構図が見えています。

 現在、保育園に入れない待機児童は約5万人ですが、高齢者施設に入れない待機高齢者は50万人を超えています。しかも施設はできても、働き手となる若い人が減少しており、介護する人もいなくなり、施設がフル稼働できなくなります。

 とにかく高齢者問題を解決するには、実は子供のことから解決していかなければならないのです。

女性が働かないと、この国は潰れてしまう

日本の再起動の基礎は、女性が働ける社会

【今井章子 氏】英文編集者を経て、ハーバード大学にて行政学修士修了。ジョンズホプキンス大学・東京大学客員研究員、国際交流基金を経て現職。昭和女子大学特命教授。
【今井章子 氏】英文編集者を経て、ハーバード大学にて行政学修士修了。ジョンズホプキンス大学・東京大学客員研究員、国際交流基金を経て現職。昭和女子大学特命教授。

 今井 働く女性の話に戻しますが、最近、時短で働く女性に対し、フルタイムで働く女性が反感を持ったり、またその逆があったりと、女性同士にも足並みが揃わないという問題も起こっていますよね。子供を持つか持たないか、結婚するかしないかは、個人のプライベートライフですが、こうした個人的な暮らしと国の政策と、どう折り合いをつけていけばいいでしょうか。

 

 野田 まずは今、働く女性の半分が非正規雇用であることが、ゆゆしき問題です。そこをどのように是正していくかを考えた時、なぜ同一賃金、同一労働でなければならないかという問題に行き当たります。

 非正規雇用という新しい形をつくった以上は、非正規の人たちがメインプレーヤーになれるような働き方にしなければなりません。例えば8時間の法定労働時間を6時間にして、残業を禁止するなど、1人の労働時間を3人で分かち合うなど、心理的な軋轢(あつれき)を減らしていく工夫も必要です。

 つまりダイバーシティというのは、だれでも働けるような社会になることで、6時間勤務なら、女性も男性も子供を育てながら働けるわけです。さらには65歳以上の人でも、最終的には障害のある人でも働けるようにすることです。

 

 今井 そのような考え方で成功している企業も、すでに出てきていますよね。

 

 野田 私の地元の岐阜県に、未来工業という製造業の会社がありますが、そこでは「残業はしない。有給は全て消化する」という方針で、増収増益を果たしています。成功の決め手は、やはり経営者の考え方、先々を見通す力なのです。

 女性の多くは、これまで非正規雇用であり、景気の調整弁にされるなど、不安定な雇用形態でした。

 儲かった時は正社員を雇い、不景気になると非正規を雇うというような経営者の考えを変えていただいて、女性ならではの特性、特質、物の見方を、会社の収益や効率性に生かしていってほしいと思います。

 決して女性を輝かせようとしているわけではなく、女性が働かないと、この先この国は潰れてしまいます。だから、女性が働ける環境をつくっていかなければならないことは、すでにほとんどの経営者は知っていると思います。しかし今のところ、どの経営者も消極的でそれができていません。それならば法律でプッシュするなど、政策でこの状況を変えていかなくてはなりません。

 

 今井 野田さんご自身も働く母親を実現されていますが、ご自身の体験も踏まえて、今後、ダイバーシティがどのように広がり、どのように社会で認識されていくのがいいと思われますか。

 

 野田 女性自身が子供を産める「性」であることをハッピーに思え、同時に男性よりもラッキーであると思えるような教育が必要です。

 現在は、女性であること、子供を産むことがリスクになってしまっています。私は50歳で子供を産みましたが、大臣になった時よりもうれしかったですね。こうした女性の「性」を満喫できることが一つです。

 もう一つは、親になりたい若者を増やしていくことです。子供を産めない人もいるので、例えば私のように、第三者からの卵子提供とか、代理出産、養子縁組など、さまざまな支援策を講じていく「親になりたいキャンペーン」等を展開すると、少子化の歯止めに相当な効果があると思いますよ。

 

 今井 野田さんがあるところで、「ダイバーシティとはカッコいい話ではなくて、ドロドロした社会の問題だ」とおっしゃっていましたが、本当にその通りだと思いました。(他者や異質なものをどこまで受け入れられるかが)自分につきつけられる厳しい課題でもあるのですね。

 そこで、グローバル時代に生きている私たち日本人は、これからどのようにダイバーシティに向き合っていったらいいと思われますか。

 

 野田 米国で初の女性大統領候補のヒラリー・クリントンさんが安倍さんに、「日本は先進国の中で一番女性の活用が遅れている。その遅れによって失われている国富がある」と言ったそうです。つまり日本の女性は育児と介護を名目に、職場から引きはがされていますが、社会制度が整い、女性が男性と同じように働くことによって得られる国富はGDPの15%に当たると。

 ですから「女性の活用」といっても、私たちは夢物語や道徳論、フェミニズムで言っているわけではなく、日本の再起動のための一番の基礎を語っているのです。

 

 今井 野田さんのように、こういうことを言い続けていく人も必要ですね。

 

 野田 このままだと座して死を待つだけの日本だからこそ、日本の再起動のためには何が一番大切なのか。私としては、これまで誰もやってこないからこそ、今やっているだけなのですけれど・・・。

 

 今井 そうした一貫した態度が、多くの女性のロールモデルになっていると思います。最近、失敗を恐れて何もしない若者や女性が多いと聞きますが、野田さんのように信念を曲げないで言い続ける、活動し続けことが大切ですね。

 

 野田 自分にとって一番怖い存在は、自分です。目先のメリットのために自分を曲げてしまうと、それがストレスになります。

 私の信念は人の志を形にすること、つまり法律にすることです。これからも特に「子供と女性」の政策に、取り組んでいきたいと思っています。

 

 

 今井 女性のリーダーシップを考えたとき、その信念が非常に大切ですね。今日はとてもいいお話を、どうもありがとうございました。

週刊「世界と日本」2016年1月18日 第2069号より

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