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    Coffee Break<週刊「世界と日本」2231号より>

    SNS,インターネット上のいじめ、誹謗中傷から子どもたちを守るために

    弁護士Think Kids子どもの虐待・性犯罪をなくす会代表理事

    後藤 啓二

    《ごとう けいじ》

    1959年神戸市生まれ。東京大学法学部を82年に卒業後、警察庁入庁。大阪府警本部生活安全部長、愛知県警本部警務部長、内閣官房内閣参事官を歴任。2005年5月退職、8月弁護士登録、西村ときわ法律事務所入所、08年7月後藤コンプライアンス法律事務所を設ける。

     

     

     ツイッターをはじめとするSNSやインターネット上での誹謗中傷は、その匿名性から、日常茶飯事となり、芸能人や政治家のみならず、一般人、子どもまで被害者となっています。子どもたちの間でも、ツイッターやライン、インスタグラムその他を使ってのインターネット上での誹謗中傷、いじめが広く行われています。古くは、「学校裏サイト」とよばれるところで行われていましたが、ツイッターやライン等が普及してくると、それらを使ってのいじめ、誹謗中傷が行われるようになりました。スマホが子どもたちに急速に普及していることも、そのような誹謗中傷、いじめが行われることを促進しています。

     典型的なものとして、クラスの友人でつくるライングループチャットで、特定の子どもの名前をあげて「きもい」「死ねば」などという書き込みをする行為があります。これに多くの者が追随すると、まさにネットいじめとなります。また、ターゲットとされた子どもに無理やり恥ずかしい写真をとり、それを個人名とともに流出させるなどの行為も見られます。被害を受けた子どもは大変苦しみ、登校拒否から最悪自殺に至ることまであります。

     このようなネット上の言葉の暴力は、人をも死に至らしめるほどの悪意、攻撃性があるわけですが、なぜ、こんなことを平気で行えるのか。それは主に、ネットの匿名性で守られいると考えられているからです。もちろん、完全な匿名性ではありませんが、警察がなかなか動かない、携帯電話会社やSNS業者が発信者の情報開示に非協力的ということもあり、大部分のこのような言葉の暴力は、匿名のまま、誰が発信したか分からないままです。このような匿名性、自分がやっているとはばれないという安心感から、大人から子どもまで、多くの人間がこのような言葉の暴力を振るうようになってしまいました。さらに深刻なのは、現実世界で悪口を言われても、(それは心の中には残りますが)、言葉としては残らないのですが、SNSではスマホに文字として残り、被害者はそれを何度も目にしてしまうことにより、より傷つくこととなってしまいます。

     このようなSNS、インターネット上のいじめ、誹謗中傷から子どもたちを守るためにどうすればいいでしょうか。

     もちろん、学校や家庭でネットリテラシー教育とか、いじめをやめましょうという教育を続けることは重要ですが、匿名性に隠れたインターネットとスマホがこれほど普及した中で、そうしたことだけで収まるとは到底考えられません。

    (1)そこで、求められるのが、保護者の毅然とした対応です。子どもがネット上でのいじめ、誹謗中傷にあっていると気づいたときには、保護者が対抗措置をとることが必要です。

     まずは、学校に連絡し、事案の調査を求め、加害者を特定、謝罪させ、以後やめさせるということなのですが、これはまず期待できません。多くのケースで、学校は、調査すらしない、調査しても、誰がやってるか分かりませんでした、あるいは、分かっても、「これはいじめではない遊びの範囲内だ」というような回答しか返ってきません。学校の事なかれ主義といいますか、いじめ被害者を守らず、加害者を守っているとしか思えないような対応は全国で数多く見受けられています。

     そこで、保護者は子どもを守るために、学校に頼らず、自ら法的措置を講ずることが求められます。まずは、書き込みをしたものを特定するために、発信者情報の開示を求める裁判を起こすことです。加害者を特定するためにプロバイダー等に発信者の開示を求める手続きも<RUBY CHAR="煩","はん"><RUBY CHAR="瑣","さ">で時間も費用もかかるものでしたが、この点については、プロバイダー責任制限法が改正され、手続きの簡素化、加害者特定に要する時間の短縮が期待されます(施行は2022年10月1日)。

     次に、誹謗中傷は、侮辱罪、名誉棄損罪のいずれかに当たるケースが多いわけですが、悪質なケースでは、警察に告訴することも必要です。この点については、2022年6月、刑法が改正され、これまで30日未満の拘留又は1万円未満の科料であった侮辱罪の法定刑が、これに加え、1年以下の懲役・禁固、30万円以下の罰金も追加されました(施行は2022年7月7日)。法定刑の引き上げに伴い時効も1年から3年に延長されました。

     本改正は、プロレスラーとして活躍され、民放のテレビ番組に出演していた木村花さんが、SNS等での誹謗中傷で自殺した事件がきっかけでした。改正されるまで侮辱罪は、法定刑があまりに低く、通常は逮捕されず、時効期間も短いため、ほとんど検挙されませんでした。全く刑罰としての抑止力がなかったのです。今回の法改正により、刑罰の抑止力により、誹謗中傷が減ることが期待されます。

    (2)一方、保護者がこのよう問題に関心がない、あるいは対応できないということも少なくないわけで、このような立場にある子どもたちを守るために、被害を受けた子どもたちがネット、電話等で気軽に相談できる窓口を、できる限り数多く設けることが必要です。そして、このような相談対応機関から、学校、警察その他の対処できる機関に連絡がなされ、子どもを守るために必要な対策がとれるような仕組みを設けることが必要と考えます。

     なお、今回の侮辱罪の改正に関しては、立憲民主党などが反対(対案を提出)するなど「厳罰化」だなどと批判する意見も見受けられました。

     しかし、人をも死に至らしめるほどの攻撃性を持った誹謗中傷—その多くは侮辱行為—をこれまでどおり、30日未満の拘留又は1万円未満の科料という軽い法定刑にとどめることは、何ら事態の改善をもたらさず、最悪自殺に至らしめる被害者を出し続けるだけです。そもそも、道に落ちている物をねこばばしたときに適用される占有離脱物横領罪(刑法254条)でも懲役1年以下なのです。今回の改正でようやくそれと同じになったわけで、そのような改正を「厳罰化」と呼ぶのは誤りです。時代の変化に対応せず、従来のままの量刑のままとしていたことこそ問題で、今回の改正は、時代の変化に対応した刑罰の「適正化」と呼ぶべきものです。(NPO法人シンクキッズー子ども虐待・性犯罪をなくす会はhttp://www.thinkkids.jp/)

     

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