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    Coffee Break<週刊「世界と日本」2249号より>

    爽風エッセイ

    MLB(Major League Baseball)人気に学べ

     

     

     

     

     

     

     

    尚美学園大学教授

    佐野 慎輔 

     いま日本の朝は、こんな一言から始まる。

     「きょう、大谷どうだった?」

     テレビや新聞が連日、大リーグ(MLB)ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手を取り上げる。活躍した日もしない日も、試合のない日さえ話題は途切れない。かつてミスタープロ野球・長嶋茂雄や世界のホームラン王・王貞治も常にメディアに登場した。しかし、野球ファンや男たちの話題に限られた。「大谷現象」は明らかに異なる。それまで野球などに関心のなかった層、とりわけ妙齢の女性たちが大谷の名前をあげて話をしている。

     大谷だけではない。サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有やボストン・レッドソックスの吉田正尚、シカゴ・カブスの鈴木誠也などMLB在籍日本人選手たちの活躍が毎日報じられる。イチローや松井秀喜が在籍していたころも連日、話題になった。ただ、いまは日本人選手に引きずられてMLB自体への関心が高い。

     大谷の「投打二刀流」の活躍がMLBを席捲した昨シーズンから兆候はあった。大谷を見たいとテレビの前にすわると、否が応でも他の選手たちの活躍が目にはいる。圧倒的なスピードとパワー、意匠を凝らしたスタジアムにファンの熱狂。どれも日本の野球放送では味わえない視聴感である。そして、今春の国・地域対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック:WBC」が「にわかファン」現象とともに爆発的な広がりを生んだ。

     日本代表「侍ジャパン」の活躍は「野球少年」大谷に加え、米国人の父と日本人の母を持つセントルイス・カージナルスのラーズ・テツジ・ヌートバーを話題の人にした。決勝戦では最後、米国の4番エンゼルス同僚のマイク・トラウトを大谷が三振に取って優勝、観たものを魅了した。MLBの国際戦略の一環であるWBCが日本に改めて野球のおもしろさを周知し、MLBの存在感を示した。

     いまMLBは活況である。大谷の今季年俸30万㌦は1㌦140円換算で42億円。NPB球団別最高年俸のソフトバンク59選手総額39億8990万円1人で上回る。このオフ、大谷は史上最高12年6億㌦の契約を結ぶとの予測もでる。活況の証と言っていい。

     1995年当時、MLBの売上規模1633億円に対しNPBは1531億円。それが20年後の2019年にはNPB1800億円と微増だが、MLBは1・5兆円規模まで伸ばした。日米の経済格差、スポーツ市場の差と言ってしまえばそれまでだが、戦略としての放送権収入への意識の違いがこの差に現れたことを指摘しておく。

     NPBが約300億円の放送権料だった2019年、MLBは31・37億㌦。当時のレートで約3400億円である。放送権を各球団の権利とするNPBに対し、MLBはローカル放送の権利こそ球団に委ねるが、全国中継は契約をコミッショナーに一元化。曜日ごと、オールスター戦やワールドシリーズ、またオフのリーグシリーズごとに地上波や有料テレビ、インターネットなどと個別に高額契約を結ぶ。

     そして広い米国のファンの熱狂に応じるべく「徹底した戦力の均衡」をはかる。完全ウエーバー制のドラフト。レヴェニューシェアとよぶ放送権料や入場料・公式グッズ販売収入の再分配。球団総年俸に枠を科すサラリーキャップ。これらの施策が球団収入の安定と戦力の均衡をもたらし、接戦が全米の野球熱を煽(あお)る。NPB人気も戻りつつあるなかで、MLB戦略に学ぶことは少なくない。

     

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