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    創業三十周年記念懇談会 祝辞

    元内閣総理大臣・中曽根康弘氏

    憂うべき社会基層の崩落


     内外ニュース30周年、誠におめでとうございます。清宮さんはよく頑張ってやっていらっしゃると非常に敬意を表しておるところでございます。私と清宮さんはもう50年近い間の交遊関係で、私にとっては畏友の一人であります。その清宮さんが内外ニュースを引き受けられた時には、果たしてうまくいくかなと心配をしておったのですけれども、見事にそれを切り拓いて、今日の全国的な地盤を持つ通信情報関係の仕事をおやりになって、国家のためにも貢献されておる。特に思想的にみてジャーナリズムの中で独特の立場を堅持しておられるという点については、非常にありがたく、感謝している次第です。
     現在の日本をみると誠に心配に絶えない状況になってきていると思うのです。一番の根本的なことは、人間個人という面からみますとやはり道義観念とか、規範意識というものが基本的に欠落している。大阪高検の部長検事さんがああいう、おぞましいような汚職をおやりになっているのを新聞でみまして、遂にここまで来たかと痛感したのは私ひとりだけではないでしょう。日本の社会の基層が侵されて、崩落しつつあるという憂いを持つのであります。
     社会だけではない。政府や政治の面も同じであると思うのです。例えば主権概念というのが政府や官僚の一部にも欠落していることが大きな問題です。北朝鮮の金正男さんが密入国した時に何となしに釈放されてしまった。拉致問題はどこへいったんだと。あるいは富山湾の不審船事件についても初動の遅れというような問題もございます。 また、北方四島問題について二島との同時解決みたいな議論が出てきておりますけれども、そういうことをあえて言うというのは、便宜主義みたいなものではないか。つまり国家主権概念というものが、政界においても欠落しているのではないかと私は思うのであります。今回の瀋陽の事件にしても初動の遅れというものもありますし、最初から毅然として戦うべきものは戦うという様相がなければならなかった。 結局、どういうところから来ているかといえば、やはり教育基本法というものがびまんして、今のように社会規範の基層が崩れた。また、一方においては例えば防衛問題について憲法第九条というものがあって、あれは (自衛権行使は)必要最小限度を超えてはならないという法制局の解釈というものがあった。その限度はどこかと結局、萎縮してくる。そういうような感じで、本当の独立主権国家としての自由闊達なる発想方法が政府側にも欠けているのではないか。政界にも欠けているのではないか。
     政界にしてみても、あの党首討論というのをみていると、実際、新米代議士の討論みたいな感じがせざるをえない。だいたい党首が議論しようという場合に5分や8分でできるはずがない。もう少し思想とか哲学とか、中長期的政策まで論じて、国民に全体像がわかるような話しをしなければ、党首討論とはいえない。 そういうようなことで民間にしても、官界にしても、政界にしても日本には直すべきことが非常に多い。小泉君にしっかりやってもらいたい。彼は「聖域なき構造改革」と言っているのだから、しっかりやってもらいたい。指導力が不足だ。それで最近ようやく自分の指導力を確立する必要から、英国流の議院内閣制に徹底する方角に転換しようとしているのかもしれない。果たしてやるかどうか。
     今の日本の国家の基本的重大問題を心がけてやっていただくということが、国民の念願ではないかと思う。われわれはそれを奉じて、これからも努力してまいりたいと思います。皆さんのご激励・ご叱咤をぜひともお願い申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)

    (週刊「世界と日本」1535号 3面より)

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