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2026年7月6日号 週刊「世界と日本」2317号 より

米中間の「建設的な戦略的安定」と

 

日本の行動

 

神戸大学 大学院法学研究科 教授

インド太平洋問題研究所理事長

在関西コソボ共和国 名誉領事

簑原 俊洋

《みのはら としひろ》

1971年生まれ。神戸大学大学院法学研究科教授、インド太平洋問題研究所(RIIPA)理事長、在関西コソボ共和国名誉領事。専門は、日米関係・国際政治・安全保障。カリフォルニア大学デイヴィス校を卒業後、1998年に神戸大学大学院法学研究科修了、博士号(政治学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、神戸大学法学部助教授を経て、2007年より現職。著作としては、『大統領から読むアメリカ史』(第三文明社、2023年)など多数。清水博賞、日本研究奨励賞を受賞。

 現下の国際秩序が変動期にあることは論を俟たない。しかし、どのような秩序が到来するかについては多様な見解が存在する。国際秩序の形成と維持において超大国が主要な役割を果たすのは当然だが、米国の国力とそれに伴う影響力が相対的に漸減する中、同国がどのような新たな国際秩序を構想しているのかを理解せずして、次なる国際秩序を論じるのは難しい。

 

 そうした中、先日の米中首脳会談を皮切りに、トランプ政権が目指す国際秩序に関しての国務長官の言及が増えている。その代表例が、米中間における「建設的な戦略的安定(constructive strategic stability)」だ。この「建設的な戦略的安定」とは何を意味するのか。米中間には対立点や競争要素が数多く存在するゆえに、それらが偶発的な衝突や制御不能な軍事的エスカレーションへ発展しないよう、両国関係を安定的に管理することを目指すことにほかならない。加えて、近年は台湾海峡、南シナ海、サイバー空間など複数の領域で米中間の緊張が急速に高まっていることを踏まえれば、対立の抑制がより期待できる新体制の構築は理に適っている。

 

 ここでいう「建設的」とは、単なる現状維持ではなく、対話やルール形成を通じてリスクを低減し、相互の行動に対する予測可能性を高めることにあると考えられる。また、「戦略的安定」とは、核戦力や軍事バランスを含む安全保障上の均衡が急激に失われない状態を確保することを指していると理解できよう。換言すれば、この文言は米中関係の協調への回帰を意図するものではなく、むしろ競争の過熱による軍事衝突を防ぐ「管理された競争状態」の維持が念頭にある。その意味で、「建設的な戦略的安定」は、米中関係を適切に管理するためにトランプ政権が提示した対中政策上の重要概念と見なすのが正しい。

 だが、ここで肝要なのは、この「安定」を誰が、どのような枠組みで定義するのかという問題だ。そして、この点が不透明だからこそ、米国の真意を正確に読み取れるのは容易ではないのだ。すなわち、米中両国が直接対話を通じて戦略的安定の条件を調整していく体制は、第三国から見れば、世界秩序の重要なルール形成が二つの超大国によって進められているようにも映る。その結果、国際社会が多国間枠組みを通じて合意形成を行う従来の構造が脆弱化するとの懸念も自ずと生じる。

 

 こうした不安の延長線上にあるのがトランプ氏自身も語っているG2論―すなわち、米中両国が中心となって国際秩序の安定と運営を主導する体制―である。もちろん、「建設的な戦略的安定」という文言の中にそのような構想が明示されているわけではない。しかし、戦略的安定の概念が二国間の管理メカニズムに依拠する以上、その他の国家はプレイヤーで非ずとの印象を与えたとしても不思議ではない。

 とりわけ、日本やNATO諸国といった同盟国は、トランプ氏による従来の規範を大きく逸脱する数々の政策によって、米国に対するクレディビリティが低下しているだけに、安全保障上の重要課題が米中間で調整され、事後的に共有されることに強い危機感を抱く。なぜなら、多国間主義に基づく透明性が軽視され、その結果として「安定」が米中二国間の均衡管理へと収斂していく可能性を払拭できないからだ。さらに、この「建設的な戦略的安定」は、同盟国への配慮よりも大国間取引を優先する傾向が顕著なトランプ氏であるからこそ、米中二極による国際秩序運営、つまりG2の出現へ直結するのではないかとの不安を同盟国に抱かせる。

 

 G2的な国際秩序が実際に出現するか否かを論じることが本稿の目的ではない。ただし、トランプ氏が大胆な「ディール」によって中国との関係調整を図る可能性が少しでもあるならば、日本としては万全の備えを講じるのは当然だ。もっとも、仮に米中による国際秩序の共同管理体制が成立したとしても、それが長期的に持続する可能性は限りなく低い。なぜなら、米国社会における反中意識は極めて強く、政治的に分断された今日の米国においても対中強硬姿勢は超党派的だからだ。加えて、米国は自国の優越的地位に挑戦する国家の台頭を容認してこなかった歴史を有する。一方、中国も米国のジュニア・パートナーに甘んじる意思は皆無に等しい。そのため、米中が接近し関係調整に成功したとしても、それは一時的でしかないと考えるのが妥当である。

 

 では、日本はいかに行動すべきか。中長期的な国益を見据えつつ、米中がいずれ対立基調へ回帰する事態に備えることが何よりも肝要だ。そこで、まず必要なのは日米同盟を基軸としつつも、「自国の国益は自国で担保する」という明白な意識だ。具体的には、経済安全保障の分野では対中依存を軽減し、サプライチェーンを多角化する「中国+α」戦略を推進することである。他方、伝統的安全保障の分野では、米国依存の一本足打法を改め、豪州、韓国、フィリピン、NATO諸国といった価値を共有する同志国との防衛協力を一層深化させる「米国+α」戦略を果敢に追求しなければならない。

 加えて、「米国に守ってもらう」という従来のセキュリティ・レシーバの考えから、周辺の同志国の安全保障にも積極的に関与するセキュリティ・プロバイダへと認識を転換させる必要がある。もちろん、これは善意に基づく安全保障政策ではない。日本が周辺国へ安全保障上の支援を行うのは、自国の国益を守るためであり、その原動力は国家の生存だ。そして、こうしたセキュリティ・プロバイダとしての安保認識を後押しするのが憲法改正だ。しかし、これは故安倍晋三首相でさえ成し遂げられなかった課題であり、現在の政治状況を考えれば、その実現には今なお高いハードルが依然として存在する。

 

 だが、過度に悲観する必要はない。日本は歴史上、国家的危機に直面した際には幾度となく能動的な行動によって困難を克服してきた。そう考えれば、国際秩序の大転換期において、リアリズムを礎とする日本が「責任ある大国」としてインド太平洋の平和と安定に寄与する日は決して遠くない。否、国際環境における目下の挑戦に立ち向かう姿勢が日本で覚醒しつつあるからこそ、習近平国家主席は日本を極度に警戒して揺さぶっているのではないだろうか。

 


2026年7月6日号 週刊「世界と日本」2317号 より

トランプ2.0下でも変わらぬ

 

インドの戦略的重要性

 

 

防衛大学校 教授

 

伊藤 融

いとう とおる

1969年広島県生まれ。中央大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程後期単位取得退学、博士。在インド日本国大使館専門調査員、島根大学法文学部准教授等を経て2009年より防衛大学校。2021年4月より現職。『新興大国インドの行動原理―独自リアリズム外交のゆくえ』、『インドの正体―「未来の大国」の虚と実』など著作多数。

 今世紀に入り、次の新興大国としてのインドに熱い視線が注がれ、日本を含め世界各国がこの国との関係強化を競ってきた。しかし最近はどうも雲行きが怪しい。2025年には日本を抜いて世界第四位となるかと言われていた名目GDPは、抜き去ったはずの旧宗主国、英国にも再び抜かれ、六位に後退したことが明らかになった。イラン情勢下のエネルギー価格高騰と海外投資家の資金引き上げに伴う、記録的なルピー安が大きな要因だ。日本企業の間では、インドは次の投資先として依然高い人気を誇っている。しかし、進出数は足踏み状態にあり、海外からインドに流入する直接投資額にも陰りが見える。

 

 経済以上に深刻なのは、主要国の間で、政治・外交、安全保障領域でのインドの位置づけに変化がみられることだ。変化が一番早かったのは中国である。2010年代の半ばごろまでの中国は米国に対峙するにあたって、ロシアとともにインドを引き込もうとしてきた。ロ印中(RIC)やBRICS、上海協力機構(SCO)でのインドの役割を中国は歓迎さえした。ところが、2020年の国境衝突と長期にわたる軍的事圧力で明確に示されたように、今日の中国は米国との「貿易戦争」下でさえ、インドに一切融和的な姿勢をみせなくなっている。それは、インドという駒無しでも米国と渡り合えるという自信の表れと考えられている。

 加えて、2025年からのトランプ第二期政権の米国にも、インド離れの動きが見られる。この四半世紀の米国は、台頭する中国に対処するために「民主主義」の大国としてのインドの戦略的関係を一貫して重視してきた。ところが昨年5月の印パ交戦以来、米国はトランプ氏による停戦仲介を讃えたパキスタンとの関係を急速に深める一方、インドに対してはロシア産原油購入を理由に懲罰関税を課すとして、関税率を50%に引き上げた。トランプ氏本人と側近からはインドをあからさまに侮辱する発言も相次いだ。トランプ氏はモディ首相を2025年2月初めにホワイトハウスに迎えたが、それ以来、さまざまな多国間協義の場ですら、一度も顔合わせをしなくなった。

 

 対照的にトランプ氏は、習近平国家主席とは2025年10月の韓国・釜山でのアジア太平洋協力会議(APEC)の機会に会談し、彼の口からは米中「G2」との言葉まで飛び出した。今年5月にはトランプ氏は二国間会談のため北京を訪問し、晩餐会で習近平夫妻を9月にホワイトハウスに招待すると発表した。こうしたことをみれば、同時期にようやく初訪印を果たしたルビオ国務長官が、インドを「戦略的パートナー」であることをいくら強調してみても、インドの疑念が消えないのは当然であろう。

 この米国のインド軽視と米印関係の悪化は、日本にとってけっして他人事ではない。故安倍首相が主導した「自由で開かれたインド太平洋」を支える主要枠組みとしての日米豪印連携、すなわち「クアッド」は勢いを失いつつあるようにみえる。バイデン前政権期にクアッドは首脳会合を定例化したはずで、次はインドで開催することになっていた。しかし米印関係悪化のなか、2025年の首脳会合は日程すら議論されないまま見送られた。外相会合は、先述した6月のルビオ訪印に合わせ、日本の茂木外相、豪州のウォン外相も訪印して1年ぶりに開催されたものの、その際の共同声明では「首脳会合を楽しみにしている」と記すにとどまり、2026年内にインドで開催するとは明言されなかった。今後のクアッドは外相会合止まりに格下げされるか、G20など多国間会議の機会に4首脳が揃えば開催を模索するというかたちになるのではないかとみられる。

 

 とはいえ、クアッドが「死んだ」というのは言い過ぎであろう。今回の外相会合では、海洋に関して緊急作戦や人道支援活動を支援するため、海上監視および状況認識に関するイニシアチブの立ち上げで合意がみられた。イラン情勢のなか、「エネルギー安全保障イニシアチブ」も立ち上げて、年内に米国で「日米豪印燃料セキュリティーフォーラム」を開催するという。さらには、中国が輸出規制を強めるレアアレース・重要鉱物のサプライチェーン強化のための枠組みが設置されることになった。冷え込んだ米印二国間でさえ、インドは米国主導の半導体やAIなど先端技術のサプライチェーン同盟、「パックス・シリカ」に今年2月に加わった。今回のルビオ訪印時に「重要鉱物及びレアアースの採掘・加工における供給確保」の協力枠組みが両国間で発表されたのはその流れの一環である。日印間でも今年1月の茂木外相訪印時に、「日印民間経済安全保障対話」が立ち上げられたほか、その際の合意に基づき4月には「鉱物資源に関する合同作業部会」と「日印AI戦略対話」が開催された。

 

 このように、戦略的に互いを必要とする領域での連携は停滞しているわけではなく、目立たないながらも着実に進んでいる。換言すれば、トランプ2.0の下でのインドとの連携は、明示的で象徴的な対中牽制としてではなく、経済安全保障を中心とした静かな実務的かつ機能的な性質のものとして展開していると評価できよう。

 この状況下で日本はどうインドと向き合うべきか。インドでのクアッド首脳会合が見通せないなか、高市首相は7月1~3日に訪印し、モディ首相との年次首脳会談に臨む。戦略的に重要な北東部アッサム州への訪問が見送られたことは残念だが、日本がインドを重視していることを示す機会となろう。依然溝の埋まらない米印首脳の橋渡しの役割をいきなり期待するのは厳しいかもしれない。だとしても、経済安全保障でのさらなる協力や、日本で不足する高度人材の受け入れ拡大、北東部で日本が支援してきた連結性インフラの加速など、日本とインドの双方にとって実質的に利益になる分野での連携を着実に前進させることはできよう。米国の対中政策が揺らぐなかでも、日本にとっては、同じアジアで中国に隣接するインドが戦略的に重要なパートナーであることに変わりはない。厳しい状況のなかだからこそ、日本がインドにとっても、必要不可欠なパートナーだということを相手に確信させることが期待される。

 


2026年6月15日号 週刊「世界と日本」2316号 より

高市政権は「教育再生」に取り組め

 

子供たちを偏向教育の犠牲にしてはならない

 

 

麗澤大学 教授

八木 秀次

《やぎ ひでつぐ》

1962年、広島県生まれ。早稲田大学法学部卒、同大学院修士課程修了後、政治学研究科博士後期課程研究指導認定退学。専攻は憲法学、法思想史。高崎経済大学教授を経て現職。第2次安倍晋三内閣と菅義偉内閣の8年8カ月間、官邸に設置された教育再生実行会議の委員を務めた。法制審議会民法(相続関係)部会委員も歴任。

 ちょっと気を緩めればこのざまだ。教育をめぐる問題が噴出してきた。これを正すべく高市早苗首相は、安倍晋三元首相や、尊敬する英国のサッチャー元首相のように本格的に教育再生に取り組むべきではないか。安倍氏が政権を退いて以来、高市政権もそうだが、歴代の政権は教育に対しての関心や情熱が低すぎる。今こそ巻き直しが必要だ。

 

 文部科学省は5月22日、沖縄県名護市辺野古沖で起きた同志社国際高校(京都府京田辺市)の小型船転覆事故(女子生徒ら2人死亡)に関する調査報告を公表した。この事故は3月16日に同校の沖縄研修旅行中に起きたものだ。

 「海から辺野古を見る」コースを選択した生徒たちが小型船に乗船したが、当時は波浪注意報が発令されており、高波としけが発生していた。まず小型船1隻が転覆し、もう1隻が救助に向かった際、その2隻目も転覆した。生徒18人を含む計21人が海に投げ出され、2年生の女子生徒(17歳)と男性船長(71歳)の2人が死亡、14人が負傷したというものだ。

 

 問題はこの事故が単なる観光の際に起きたものではなかったということだ。小型船は在日米軍普天間飛行場の辺野古移設工事に反対する「ヘリ基地反対協議会」の所有で、船長2人はその活動家だった。日本共産党や極左暴力集団が構成団体となっている。

 文部科学省はまず、安全管理が不備であったことを「著しく不適切」と認定した。小型船に教員が1人も同行しておらず、事前の下見もしていなかった。悪天候時の活動中止や代替案も用意されていなかった。生徒にライフジャケットの正しい着用方法などの事前指導も全くしていなかった。保護者への事前説明や明確な同意取得もなかった。

 

 次にここがより重要だが、文部科学省は、同校の研修旅行自体に教育内容の偏りがあるとして「教育の政治的中立性」を求める教育基本法14条2項に違反すると認定した。同法が昭和22年に制定されてから初めて判断である。辺野古移設工事を巡っては、「普天間飛行場の危険性除去」や「日米安全保障・国の抑止力維持」といった政府・賛成側の視点もあるにもかかわらず、反対派の主張に偏った学習内容になっていた。引率教員の多くが、生徒が乗船した船が日常的に海上抗議活動に使われている「抗議船」であることを認識した上でプログラムを組んでいた。研修旅行のしおりには、団体が作成した「移設反対の座り込みへの参加」を呼びかける宣伝文書を、そのまま無修正で掲載していた。旅行初日の開会礼拝では、牧師資格を持つ死亡した船長が抗議活動を肯定・説明する時間を設けていた。このようなことから学校全体で生徒を特定の思想へ誘導していたと判断された。

 

 今後の対応についてだが、文部科学省は学校を運営する学校法人同志社や所管する京都府に対し、改善を求める指導通知を出した。京都府は、同校のガバナンス欠如や安全管理体制を問題視し、私学助成金の減額を検討。そしてここが重要だが、文部科学省は今回の事故を重く受け止め、全国の学校における校外活動の安全確保や教育内容の適切性について、全国的な実態調査に乗り出す方針を示した。同校の「偏り」ある教育は決して特異な例ではなく、他でも似たような教育が多く行われている可能性があると見ているためだ。

 文部科学省は妥当な措置をとったと言えるが、これまでこの事故について消極的な報道しかしていなかったメディアまでが、調査報告が発表されると、急に「教員に萎縮広がる懸念」(『朝日新聞』5月23日付)などと騒ぎ始めた。しかし、左翼団体と一体化した偏向教育をする、教育基本法にも違反する教員は萎縮して然るべきだ。

 

 沖縄県の玉城デニー知事も5月23日、記者の取材に「学ぶ環境を提供することは平和教育の根幹。そういうところに(文部科学省が)踏み込んでくるのは、踏み込みすぎだ」と反発している。小型船運航団体をも支持基盤とする知事だが、文部科学省が踏み込まざるを得ない事態を招いたことや、子供たちをおかしな思想の犠牲にしたことへの反省はない。「平和教育」や「平和学習」も基地建設反対だけでなく、「力による平和」や抑止力の視点も入れる必要があろう。

 第2次安倍政権は「教育再生は経済再生と並ぶ国の最重要課題」として、教育再生担当大臣を設け、官邸に教育再生実行会議を設置するなどして熱心に取り組んだ。様々な改革をしたが、例えば、教科書検定基準の中に意見が対立している場合は一方の意見だけを記述してはいけない、政府見解や最高裁の確立した判例がある場合はそれも記述しなければならないというものを設けた。一方に偏った教育を排除し、中立性を確保するためのものだ。その結果、教科書以外にも波及したのか、公立学校での左翼思想に傾いた偏向教育の報告は聞かれなくなった。同志社国際高校は私立学校だが、左翼の主戦場は私立に移ったということか。

 

 教育再生実行会議は菅義偉政権に受け継がれたが、次の岸田文雄政権では教育未来創造会議という中身がすっかり変わった会議体が設置され、教育再生の熱は消えてしまった。その上、LGBT理解増進法が制定され、現在、教科書には同性愛やトランスジェンダーに関する言説が溢れ、男女の婚姻の意義を相対化している。石破茂政権では教育関係の会議体自体が設けられなかった。

 国家を担う人材をよく育成するも悪く育成するも、教育次第である。教育は国力の基でもある。安倍政権やサッチャー政権、米国のレーガン政権など本格的な保守政権は教育を国家戦略の中に位置付け、力を入れた。その視点から高市政権も本格的な教育再生に取り組んでほしい。子供たちの知能と学力を下げるSNSやAIとの適切な付き合い方、地方から若者を奪う大都市の大型私立大学文系学部の入学定員大幅縮小、高校普通科の縮小と専門科への移行など批判を乗り越えてでも取り組まなければならない課題はたくさんある。

 


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