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内外ニュース懇談会 講演要約

講演
攻めの農林水産業の推進について

農林水産大臣 林 芳正 氏

2014年7月に開催した東京懇談会で「攻めの農林水産業の推進について」と題し、地域の潜在力を活かし、農林水産業の6次産業化や輸出の促進等、農林水産業を産業として強くする取り組みと、美しい棚田保全など農林水産業の有する多面的機能の発揮の両者を車の両輪として具体的に進めていることを熱く語った。


配布資料PDF
大臣講演資料.pdf
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《林芳正氏講演のポイント》

『攻めの農政」元年の動きが・・・』
「6次産業化」で付加価値向上へ

 

 2年前、まだ野党のころに1度お呼びいただいた林芳正です。その時にはもちろん、安倍政権ができて農水大臣を拝命するなんて予測もしていなかったが、安倍内閣は今、ちょうど1年半を超した。

 このぐらいまとまった期間があると、腰を落ちつけていろんな仕事ができるなあと、実感している。

 農林水産業も話題になることが多くなり、経済界からの参入等も増えてきている。今年を「攻めの農政」の元年にしたいと、去年いろんな改革案をつくったが、そういう動きがまさに出つつあると、うれしく思っている。

 

 「瑞穂の国」とよく言うように、農業は「国の基」であり、日本でこれだけ精緻(せいち)なものづくりができる基は、どうも農業にあるのではないかと言っていただくことがある。

 また農山漁村には、いろんな潜在力があり、伝統と技術を持った食べものづくり、これが日本食とおもてなしの心につながっている。

 さらに林業と水産業。森林は日本の面積の7割を占めているが、ずっとそれをキープしていることは、世界中では今、どんどん伐採して、面積が縮小している中では、大変大きなことだ。

 そして海も、EEZ(排他的経済水域)は世界6位の面積を誇っており、農山漁村にはいろんな潜在力があると言ってよい。

 しかし一方で、我が国の農業を取り巻く状況はなかなか厳しいものがある。

 

 基幹的農業従事者が減っていく中で、かつ年齢構成もどんどん上がっていく。これと呼応して耕作放棄地も推移しており、特に土地持ち非農家、地主さんが都会にいるところが耕作放棄地になっているのが、この10年ぐらい増えてきている。こういう状況の中、待ったなしの改革をやらなければならない。

 農林水産物は最終的には、どなたかに食べていただくことなので、一番直接的なポテンシャル、最終的な需要先は世界の食市場だが、2009年〜2020年にかけての、食の市場規模(加工+外食)はほぼ倍増する。

 推計として340兆円が680兆円に倍増する中で、人口も所得も増えていく中国、インドを含むアジアは3倍になる。この地域をどうやって日本の農林水産物の需要先として取り込んでいくかが、課題を解決するためにも非常に大事だ。

 

 こういうマクロの背景の中で、昨年の12月に「農林水産業・地域の活力創造プラン」という4本柱をつくった。

 そのうちの3本柱は、あらゆる産業政策に共通するもので、(1)需要フロンティア(デマンドサイド)の拡大(2)需要と供給をつなぐバリューチェーンの構築=農林水産物の付加価値向上(3)生産現場(サプライサイド)の強化、である。

 4本目の柱が、農産漁村の多面的機能の発揮という地域政策だが、ほかの産業がない地域が果たしている役割、集落を維持するとか、保水する、CO2を吸収するという機能があり、これらを伸ばすことを掲げている。

 

 私が大臣になって重視しているのが需要フロンティアの拡大で、国内外それぞれ対策を打っていこうと。

 国内も人口減、高齢化の中で、食生活がガラッと変化して、主要先進諸国の中で、主食のコメの消費量が、昭和37年のピーク時から今日までの50年間に半分になったという国はない。そういう国内市場だが、ボリュームはともかく、まだまだいろんなことができる余地がある、と。

 「新たな国内ニーズへの対応」で、特に力を入れているのが「医福食農の連携」で、医療や福祉と連携しようと。また、「新しい介護食品」の考え方を公表したり、「漢方薬を国内から調達する」など、「攻めの農業」の一つになっている。

 

 我が国が持つ自然的・社会的な環境に育まれた日本食が昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録された。これがホップで、次のステップが「ジャパン・エキスポ・2015・ミラノ」の万博日本館だ。

 万博史上初めて食をテーマにした国際博覧会が来年ミラノで開かれるので、世界中に発信をしていきたい。

 

 そしてジャンプは、次の2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会であり、これは食にとどまらず、畳や木でつくった和の空間、それから花、農山漁村でもてなすということで、全国でいろんな対応をしていきたいと思っている。

 「需要と供給をつなぐバリューチェーン」を、具体的には「6次産業化」というキーワードでやっていこうと。農林水産業は1次産業、次に、例えばミカンとかイチゴをつくり、それらをジャムにする。これが加工で、2次産業。

 つくったところでレストランを開き、そこでジャムを直販する。ジャムを塗った料理を出す。これが3次産業。1次産業から2次産業、3次産業までやる。つまり、1×2×3で6次産業化を目指し一生懸命やっている。

 

 農協も改革をしなければならない。昭和29年に今の「中央会制度」ができた。今は全国に農協が700ぐらいだが、当時は1万1000あった。農協の経営基盤を強化するために中央会が指導をしたりと、立派な役割を今まで果たしてきたのだが、700になった今、単位農協が強く立派になってきている。

 ここの自主性がどんどん発揮されるように中央会を改革していこう、というのが農協改革だ。農協改革ができたから、もう農業は大丈夫だとはならない。これは必要条件であると申し上げておきたい。

 人口減少社会における農山漁村の活性化だが・・・。やはり地域は、田舎へ行けば行くほど農林水産業の持つ潜在力は大きく、これらの活性化が地域の活性化につながるように、しっかりと「攻めの農業政策」に取り組んでいきたいと考えている。

 

 

※全文は月刊『世界と日本』第1243号に収録されます。また、要約は週刊「世界と日本」2034号に掲載されます。

 

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