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内外ニュース懇談会 講演要約

講演
「菅政権 当面の内外の諸課題」

キヤノングローバル戦略研究所研究主幹 立命館大学客員教授

菅政権内閣官房参与 宮家 邦彦 氏

内外ニュース東京懇談会10月例会は28日、ザ・キャピトルホテル東急で行われた。「菅政権 当面の内外の諸課題」と題し、安倍・菅外交、コロナで変わること、変わらないこと、米中の覇権争いなど、幅広く語った。


安倍・菅外交の「天・地・人」

 

  まず安倍政権と菅政権の外交の話をしたい。私は最近、孟子の「天の時、地の利に如かず、地の利、人の和に如かず」という「天と地と人」という言葉を使うようになった。

 「天の時」は2つある。1つは21世紀になり、東アジアの国際情勢、環境が激変したことである。もう1つは、日本にふさわしい評価を得る、国際的な名誉を取り戻すチャンスであると思っている。

 「地の利」は3つある。1つは、日本にとって「尖閣事件」であり、物理的な脅威が2010年と12年に起きた。2つ目は、この事件では私が言う「空想的平和主義」の限界が露呈した。3つ目は、アメリカの対中政策が変わりつつあると同時に、新「孤立主義」も進んでいるということだ。

 「人の和」は、一番大きかったのは安倍政権の時の国家安全保障会議の設置である。この会議により防衛省と外務省の安全保障の方針が一本化された。これは極めて大きな一歩だったと思う。また、安倍政権時に「大統領府」的外交スタイルができたが、菅政権では当然このスタイルは変わっていくだろう。いい意味で昔に戻りつつあり、人の和は全体として保たれているので、その意味では非常にいいチャンスである。

 

菅外交が直面する世界とは

 次に世界でこれから何が起きるのかについて話したい。アメリカの外交政策の主要な関心事が、欧州・中東から東アジアに移ったと思う。それはアメリカが中国に対し、恐怖を持つようになったからだ。

 欧州については、西欧・東欧の先祖返りが起こると思う。最近は特にドイツではネオナチが出てくるなど、非常に不健全な排他主義、ナショナリズムが出てきている。そして同時に、ロシア帝国の逆襲が始まったのではないか。

 中東は、アラブが停滞している。何十年たっても、国内的に統治の正当性の問題を抱えている。その中で、オスマンとペルシャの帝国が逆襲を始め、2つの帝国がこれから覇を競い始めるだろう。その中で我々は、どのようにアラブのエネルギー資源を守り、それを持ってくるかという点で極めて重要な地域である。

 中国・朝鮮半島では、韓半島の先祖返り、つまり朝鮮半島の人々が、自分たちの歴史を自分たちの手に取り戻す、絶好のチャンスが来た。そして当然ながら、「漢帝国」の逆襲が始まってくる。

 南西・東南アジアについては、共有意識が揺れ動いている。中国に近い国、関係が深い国もあれば、そうでない国もあり、東南アジアも一体ではない。そういう意味では内在する矛盾が常にあり、揺れ動くであろうと考えている。

 

コロナで変わること、変わらないこと

 次に「コロナで変わるか、変わらないか」という話をしたい。コロナは壊すだけで、何も生まない。コロナは新しいものを作るのではなく、それまでに動いていた流れ、潮流を促進し、加速し、場合によっては劇症化する。

 また、短期の政治・軍事的影響を見ると、現在、つまり2020年代が1930年代に似ている可能性がある。30年代に東アジアに強力な新興国が生まれた。その新興国はアメリカを過小評価し、「今こそ自分たちがこの地域で歴史を作る」といって、西太平洋におけるアメリカの海洋覇権にチャレンジをした。つまり日本が真珠湾攻撃をし、満州国をつくった。

 今、中国は1930年代に日本がやったことと似たことに、チャレンジしようとしている。アメリカは、中国は覇権にチャレンジするだけでなく、取って代わろうとしていという恐怖を理解し始めた。それがオバマ政権の2期目である。このように新興国が台頭し、現状を変更する。アメリカを過小評価し、覇権に挑戦する。これでアメリカは大改革、戦い方改革を始める。

 もう一つ、ロシアの国力低下がある。ロシアの力は中国との比較で弱まっていき、いずれ中国がロシアにとって、戦略的な脅威になるというのが私の見立てである。

 

米中覇権争いの行方

 最後に米中関係の話をしたい。最初に紹介した「THE KILL CHAIN」という本には、アメリカの国防省ではウォー・ゲームをたくさんしているが、ゲームでは米軍は中国に勝てないと書いてある。

 アメリカが過去30年間、特に海兵隊を含め、中東で格下を相手にして、連勝連戦で悦に入っている頃、中国は安くて、無人で、小型で、よく当たって、使い捨てがきいて、移動が敏捷な無数のミサイル、無数のドローンで、アメリカの接近を阻止することに成功しつつある。これは何を意味するかというと、この地域で、アメリカはもう圧倒的な優位にないということが、その本には書いてある。

 これを同盟国の立場から解釈をすると、今までアメリカと一緒に戦っていれば大抵勝てた。しかし、今はそうではない。そして相手が戦略的な譲歩をしないとなれば、こちらの戦略的な利益について、優先順位を付けなければならなくなる。

 そして私がこの本を読んでいてピンときたのは、「じゃあ尖閣はどうなるのか」ということだ。あの小さな島の、侵略的な優先順位はどこにあるのか。これは我々にとっては恐ろしい問題である。

 中国は賢いから、戦わずして勝つ。中国はアメリカが関心を失った時、つまり「力の真空」を利用して、戦わずして勝つ戦略である。そういう人たちに対して、我々はどうすべきか。日米豪台の人たちは戦い方改革をして、中国の戦い方改革に対するカウンターの戦い方改革をしなくては、現状が維持できなくなるというのがポイントである。

 我々は海洋国家で、生命線はシーレーンだ。それはマラッカ海峡で終わっているのではなく、中東までいっている。そのシーレーンを一体だれが守っているのか。アメリカの海上兵力が守っている。

 こうした日本が置かれた状況を考え、菅内閣が置かれた状況を考え、常に海のオペレーショを念頭に置いてもらえると、おそらくアメリカの動きも見やすくなるし、国の動きもはっきり見えてくるだろう。

※講演の動画・資料は「内外ニュースチャンネル」でご覧になれます。(会員専用)

https://www.naigainews.jp/懇談会/懇談会動画/動画-宮家氏202010-会員専用/

講演要約は週刊「世界と日本」NO.2186号に掲載されます。

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