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内外ニュース懇談会 講演要約

講演
ウクライナ危機から日本のあるべき姿を考える

 

自民党安全保障調査会長
元防衛大臣 小野寺 五典 氏

 内外ニュース東京懇談会4月例会は5日、ザ・キャピトルホテル東急で行われた。自民党安全保障調査会長で元防衛大臣の小野寺五典氏が「わが国の防衛と安全保障」と題し、国家安全保障戦略の法整備の重要性を訴えるとともに、ウクライナ危機への支援のあり方、日本周辺の安全保障環境、中国の台湾侵攻への備えなどを幅広く熱く語った。

(講演動画は内外ニュースチャンネルで会員限定でご覧になれます)。


国家安全保障戦略への取り組み

 昨年、我が国の安全保障の脅威に対しての防衛体制整備をどのようにするのか。具体的にはどのような装備を揃える必要があるのかのおおもと大本になる2度目の国家安全保障戦略をまとめた。

 1回目は2013年に安倍総理、菅官房長官、岸田現総理が外務大臣、私が防衛大臣で中心となって取りまとめた。今から10年前で、その後、安全保障体制も大きく様変わりし、国家安全保障戦略を早く見直したいと考えていた。

 一昨年、私たちの政策集団・宏池会の岸田総理が誕生し、見直しをお願いしたところ、総理は見直すとご自身の判断で決められた。そして、原案を自民党の中で考えるよう指示が出て、私が安全保障調査会長として、有識者のヒアリングに取り掛かった。

日本周辺の安全保障環境

 10年前と比べて日本周辺の安全保障環境も大きく様代わりした。中国はウクライナ侵攻前の核保有軍事大国ロシアと深い関係を結んだ。近くにはピンポイントで爆発させるミサイル能力を持つ北朝鮮も存在する。万が一、3つの国が一緒になって日本周辺で有事を起こした場合、自衛隊はどのように向き合い対応するのかという戦略を作る必要があった。併せて、ロシアのウクライナ侵攻後に国家安全保障戦略を作る理由と具体的な内容に留意した。特に、中国の台湾侵攻があった場合に自衛隊はどのように向き合い、対応するのかを主眼に国家安全保障戦略を取りまとめた。

新たな戦い方・サイバーとドローン攻撃

 ウクライナの戦い方のハイブリッド戦が今後のトレンドになる。ミサイルや大砲が飛ぶ前に、サイバーで攻撃を仕掛け、宇宙からの位置情報を狂わせ、同時にフェイクニュースを流す。弾が飛ぶ前に様々な戦い方を仕掛け、次に無人のドローンで攻める。戦車や空母や戦艦は必要だが、それ以外の能力を付けないと戦えない。サイバーや宇宙や電磁波、最近は認知領域もしっかり対応しないといけない。

 ロシアのウクライナ侵攻が始まったとき、アメリカやイギリスの政府の報道官は「必ずロシアはウクライナに攻め入る」と明言したのは正しかった。

 アメリカの元政府高官からも「おそらく、アメリカは証拠を掴んだ」と聞いた。るいすい類推するに、ロシア軍のサーバーに侵入し、情報収集していると思う。

 サーバーが今、情報活動の主戦場だ。日本は様々な法規制があり行えないが、今回の与党合意の中で、日本も正面から向き合うという合意がなされた。今後、丁寧に議論をしていく。

リアルな専守防衛の姿とは

 ウクライナ戦争で明確なのは、専守防衛の難しさだ。停戦か終戦を迎えるには、ウクライナが降参するときか、ロシアが弾を撃ち尽くして消耗するときで、ウクライナが勝つことはないだろう。憲法上、日本は専守防衛を大切にしているが、今のウクライナがリアルな専守防衛の姿であることは理解したい。

 政府で方針を決めた「反撃能力」は私の作った言葉で、肝は、日本への攻撃を止めさせ、相手国にも日本から何か来るかもと思わせることで抑止力になるとの思いがある。

 そ安全保障戦略の中では、「反撃能力」をスタンド・オフ防衛能力(脅威圏外からの対処)と考え、長射程の武器も日本を守るために必要なら取り入れるべきという考えだ。ウクライナ侵攻を見て外交力を強化するためには、日本への攻撃に対する抑止力を高めることを評価すべきである。

戦争を起こさせない抑止力

 安全保障戦略をまとめる最大の理由は、戦争を起こさせない抑止力である。中国は日本の防衛費の5倍以上で、人口半分の韓国も日本の防衛費を抜いた。日本は足腰が弱っていたが、今回、防衛装備予算を獲って今まで怠っていたことを急いでやり、しっかり身構え、アメリカやオーストラリアやインド、NATOとチームになって初めて抑止力になる。中国が台湾に武力行使した場合、日本は当事者になる可能性が高い。外交力を裏付ける防衛力と同盟国間のチーム力があって抑止はできる。防衛費では、チームを組む同盟国はGDP2%の努力目標を持つ。一番チームに守って欲しい日本が努力をしなければ、他の国はどう思うのかを考えて欲しい。

防衛装備移転三原則・運用方針見直しの必要性

 安全保障に資する予算には研究開発費も入る。モノづくりの日本で、最近、経済の中枢を担うモノが産まれないのは、安全保障の研究をしていないからである。安全保障研究は後に民間への転用で次の新しい技術になる。日本は特に日本学術会議、国立の研究所・大学を含めて安全保障研究を断ってきた。再び日本を技術立国にするためにも今回、防衛予算に研究開発費を多く入れている。

 次の作業は、防衛文書に魂を入れること。防衛装備の海外移転で、今、新しい戦闘機の開発を日本とイギリスとイタリアで始めた。NATOや他の国も欲しい世界最先端技術のものを量産できれば、低コストで取得できる。ただ、今の日本の原則では、防衛装備の海外移転は基本的にダメで、今後どうするか議論することも大事だ。

G7サミットでのウクライナ支援

 5月に広島市で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)でウクライナ支援の議論もあると思うが、相手の立場に立って考えて欲しい。もし、日本が外国から侵略を受けるなど有事が起きた際に万全の備えが必要と考えれば、ウクライナ支援の中身についても踏み込んだ議論しなければならない。大変なときにしっかり手伝うから、日本が大変なときに支援は集まる。有事の際、他国から様々な支援を受けたいのであれば、日本はどうあるべきか深い議論が必要で、実はもう考える重大な局面を迎えている。

講演動画は「内外ニュースチャンネル」でご覧いただけます。(会員専用)

動画 小野寺五典氏20230405(会員専用) - 内外ニュースチャンネル (naigainews.jp)

講演要約は週刊「世界と日本」NO.2244号に掲載されます。

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