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内外ニュース懇談会 講演要約

講演
高市政権を支える基軸

 

自由民主党総務会長・
参議院議員
有村 治子 氏

内外ニュース東京懇談会4月例会は20日、ザ・キャピトルホテル東急で行われ、自由民主党総務会長・参議院議員の有村治子氏が「高市政権を支える基軸」と題し、党の課題認識をはじめ、歴史的転換となった高市政権の誕生、主体性と挑戦の政治理念、国力の構成要素と国家観、戦間期の平和戦略など5つの基軸について強く熱く語った。

 

(講演動画は内外ニュースチャンネルで会員限定でホームページでご覧になれます)。

政治信条と自民党再生への道

 全国47都道府県を選挙区とする参議院議員として5期目の議席をお預かりしている。「しっかりとした国家観と地に足のついた生活感を併せ持って、命の重みと地域や家族の絆、国家の尊厳を守ること」を25年間、活動の原則にしてきた。
 去年夏の参院選では、残酷区とも言われる全国区で当落線上の戦いとなり、事実、当選が決まったのは月曜日の朝だった。「自民党の方向性が不明確」、「真の保守政党としての姿勢が見えない」、「私の未来に対する自民党の貢献が見えない」といった厳しい御意見を全国各地の有権者から頂き、閉塞感を打ち破り信頼再構築に向き合う使命を強く意識する契機となった。

高市政権誕生の経緯と歴史的転換

 自民党70年の歴史で初めて経験する衆・参両院で過半数割を割る与党惨敗。先の参院選比例全国区候補の中で唯一当選し保守系議員として議席を守り抜いたことの歴史的な使命を6年間の任期。その使命が明確になったのは、自民党が参議院選挙惨敗直後、私が両院議員総会で議長を務め、総裁選前倒しの是非を決すると言う意思決定を行った8月8日であった。保守系で生き残って議席をお預かりする私の使命は、リコール規定のない党則のなかで、時の内閣総理大臣・自民党総裁の尊厳を守りつつ、総裁選の道筋を立てることにあったのだと認識した。あの日がなければ、今も当然のように石破政権が続いていると思われる。
 自民党初の女性の総裁、同時に伊藤博文公が初代内閣総理大臣に就いた明治18年から140年で初めて、女性の内閣総理大臣が誕生したことは日本における歴史的転換である。連立相手が替わり、文字通り国内外で地殻変動が起こっている感覚だ。3度の総裁選を通じて高市候補を支えて戦い、やっと高市総理が誕生した。高市総理は就任から3か月で、自らの進退をかけることを恐らく誰とも相談せずに解散総選挙を打たれた。
 結果、戦後80年の歴史で初めて一党で3分の2の議席をお預かりすることとなった。歴史の転換期に立ち合い、主権者たる国民の皆様と共に私たち自身が歴史をつくっているという緊張感を実感している。

主体性と挑戦を訴え、国民の支持を取り戻す

 今年2月の総選挙で自民党が支持された理由の一つは、「未来は与えられるものではなく、自らの手で切り拓くもの。挑戦しない国に未来はない。守るだけの政治に希望は生まれない。挑戦する人が評価され、頑張る人が報われ、困った時には助け合い、安心して家庭を持ち、夢を持って働ける国へ」との高市総理の直球のメッセージ。希望ある未来は待つものでも与えられるものでもなく、自ら決断し行動してつくり上げるものであり、日本の未来は明るくチャンスがあると皆が自信を持って言える社会の実現を掲げた。
 メッセージの核心は主体性にあり、個人の人生、組織、国家も、自ら決断し行動しなければ確かな将来はやってこないという当たり前のことを、勇気を持って主権者たる国民に問いかけた。
 挑戦とは過去の延長線上ではない将来をつくるためにリスクを取ることで、従来の思考、行動パターンから外れることはつまずく可能性も高いが、挑戦して主体的に生きる人が報われる社会を創り、不安を希望に変える努力をしよう、私がその最前線に立ちますという重要なメッセージ。

 

国力の国民的議論と国家観の共有

 

 岸田政権時の2022年に改訂された国家安全保障戦略の中で、国力は■経済力、■外交力、■防衛力、■情報力、■科学技術力の5つと規定されたが、唯一の正解とは限らない。「何が国力か」を私たち自ら考えることが極めて大事だ。高市総理は人こそが国力を規定するとして「人材力」を加えている。私自身は■人口規模、■国民性も含めた国柄、も加えたい。自らが持てる力(国力)を組成する要素を考え抜くことは、個人が生き抜く上でも、非常に大事な要素だと思う。
 自民党と日本維新の会は国家観の共有を軸に連立を構築し、国益追求に向けた政策を連立合意書に明記した。明記して総選挙に臨んだ以上、公約を実現する力の高い内閣を打ち立てることが、歴史的勝利を得た者の使命だと思う。そして、政権の体力そのものである支持率が高い政権でなければ賛否が大きく分かれる重要政策を実現しえない。
 今、国会では、国家情報会議設置法(インテリジェンスの強化)、皇室典範改正、防衛3文書の改訂と防衛装備品移転の方針転換、憲法改正といった国の在り方を問う課題と向き合っている。守るものと変えるものを見極めて、我が国の主権と独立を守る責務を果たすため、世論が二分される重い議題の成案を得ることが、高市政権と自民党に課された歴史的使命と位置づける。

 

戦間期を見据えたナラティブと平和戦略

 

 戦間期という言葉は日本人にはなじみがないが、戦争と戦争の間の平和と安定をいかに長く維持するかという重要な概念がある。その中で主権について考えて頂きたい。主権には、■国の統治の在り方を決める権利、と共に■他国の支配や干渉を受けず、自らの領域(領土、領空、領海)を統治する権利の2つの意味がある。
 グラス駐日米国大使との面談のおり、現代はナラティブの戦争の時代であると言われた。ナラティブとは《賛否両論分かれる重要な課題について、自らの価値観を基にして人を説得する大義、論理立て》である。中国やアメリカもナラティブを展開する中、国際世論の中で日本の主張は正しいと共感し、共に行動してくれる国々や世論を丁寧に紡ぎ、自らの国益と世界各国の共通する利益を追求する知恵と誠実な戦略性を築けるかが重要である。
 2月28日に中東の緊張が一気に高まった。シーレーンの安全航行は国民生活の生命線、国益であり世界経済の浮沈に直結する。自由で開かれたインド太平洋(FOIP)は自由経済と法の支配と民主主義の元での安全・繁栄を安倍総理が提唱したナラティブ。この10年間で日本のみならず欧州もASEANも含む多くの民主主義国がFOIPに賛同し、国家戦略にした。こういう大きなナラティブを提案し長いスパンで機能する同志国を作っていくことが非常に重要で、高市総理は国益と国民の未来を背負って実践し、その教訓を日本を前に動かす覚悟・決断力のあるリーダーだと考える。

 

※講演動画は「内外ニュースチャンネル」でご覧いただけます。(会員専用)

 

動画 有村氏(会員専用) - 内外ニュースチャンネル (naigainews.jp)

 

講演要約は、週刊「世界と日本」No.2315号に掲載されます。

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